- クレジットカードで飛行機に乗りまくってマイルがめっちゃ貯まる!
- クレジットカード入会キャンペーンで沢山のボーナスポイントがもらえた。
- 知り合いにカードを紹介して紹介ボーナスポイントが付与された。
等々、最近ではクレジットカードをかしこく利用して、ポイントやマイルを貯める人が多くなってきました。私もアメリカン・エキスプレスのキャンペーンを利用してマイルを貯め、よくお得に海外旅行を楽しんでいるのでマイル・ポイントの恩恵に大きくあずかっています。
しかし、ここで気になってくるのは、クレジットカードで貯めた(付与された)ポイントやマイルは課税対象になるのか?という点です。ポイントを貯めまくっている方やマイラーの方には、気になる方もいるのではないでしょうか。
私も気になり様々なサイトで調べてみたのですが、サイトによって見解が異なり、確定申告が必要なのか不要なのかについての結論が出ずじまいでした。
そこで今回は、結局のところクレジットカードのポイントやマイルは課税対象になるのかどうかについて、税務署や国税庁のWEBサイトで調べた結果をもとに解説していきたいと思います。
"雑所得" として課税の対象になり得るが、現時点で申告の必要は無し
クレジットカードに付与されるポイント・マイルが課税対象になるかどうかについては、以下の2パターンで分かれます。
ポイント・マイルの分類
- 【カード利用や入会キャンペーンなどで付与されるポイントやマイル】:『値引き』や『契約に内包されるサービス』として扱われるため、課税対象にならない。
- 【紹介キャンペーンやアフィリエイト広告などで獲得したポイントやマイル】:『雑所得』として扱われるため課税対象になりうる。
上記のように、普通にカードを利用した溜まっていったポイントやマイルは『値引き』として扱われます。値引き額に課税することはできないので、課税対象にはなりません。
逆に、友達紹介キャンペーンやアフィリエイトプログラムなどで獲得したポイントやマイルについては『報酬』であり、雑所得として扱われるため、課税対象になり得ます。
ただし、ここで "なり得る" と言っているように、現時点(2019年8月時点)では課税対象として扱われておらず、申告の必要はありません。
ポイント・マイルは、税法的に "グレーゾーン"
実はクレジットカードなどのポイントサービスというのは、未だに税法的にグレーゾーンなのです。
国税庁の税制研究家の中には、ポイントやマイルに対し徴税するのが妥当と考えている人もいます。
ポイントの法律関係は、少なくともポイント付与の元になった取引きとは別の何らかの給付を、対価を支払うことなく請求できる権利が付与されたものであると捉えることが適当であり、課税されるべき経済的利益にあたる。
(引用:企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について|論叢|税務大学校|国税庁)
ポイントやマイルの付与によって経済的利益を受けている人間が多いのも事実なので、課税して税金を徴収すべき、という考えのようです。大きなお世話ですね
また、以下のような記述もあります。
停止条件付贈与契約であるので、停止条件の成就、すなわち、ポイントが実際に使用された時に贈与契約は効力を生じ、その時点で課税されるべき所得となると考えられる。
(引用:企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について|論叢|税務大学校|国税庁)
つまり、ポイントやマイルを保有しているうちは課税対象にならず、それらを使用した瞬間に徴税対象と見なすべき、という内容です。
それから長らく、国税庁では徴税する・しないの議論が続いているようですが、依然として結論は出ていないようです。
結論が出ない理由としては以下のことが考えられます。
- ポイントやマイルを大量に保有しているからといって、相応する税金を納めるだけの経済力があるとは限らないため
- カードやサービスによって、1ポイント・1マイルの重み(=円換算値)が異なるため
- ポイントの種類、獲得経路が多種多様なため追うことが困難
仮に税務署が上記のことを無視して計算し、追徴課税を行った場合、下手をすれば税金滞納者を量産することになります。
ということで、ポイントやマイルが『雑所得』として課税対象になりうるのも事実ですが、現時点では課税されない(申告の必要はない)と考えることができます。
▼事実、国税庁の法定調書ダウンロードページにも『ポイント』『マイル』の申告項目のあるものは用意されていません。
今後、ポイント・マイルに関する税法が整備される可能性はある
現時点で課税対象とはならないポイント・マイルですが、今後、大衆の中に『ポイントやマイルを大量に所有していて恩恵を受けているのに、課税されないのは不公平』という声が大きくなってくると、見直しがかかるかもしれません。
また、昨今のキャッシュレスの流れにより、仮に経済活動の大部分をポイントが占めるようになると、国もポイント・マイルに関する税法の整備を進める可能性は十分にあります。
しかし『租税法規不遡及の原則』により、新たに制定または改正された租税法規を、 その施行前の事象に遡って適用することは原則的に許されないことになっています。
なので少なくとも、現時点で保有しているポイント・マイルに関して税金の心配をする必要はありません。
ポイント・マイルに関する税金のまとめ
クレジットカードのポイント・マイルに関する税金についてまとめると以下の通りです。
ポイント・マイルに関する税金について
- カード利用や入会特典などで付与されるポイントは『値引き』扱い
- 紹介キャンペーンやアフィリエイトで獲得したポイントは『雑所得』扱い
- しかし現時点でポイント・マイルに関する税法が整っていないため、徴税はされない
- 今後、税法の見直しにより課税対象となる可能性はある
ということで、現在大量にポイント・マイルを所有している方はひとまず安心しても良いです。(私も良かった...)
しかし上述したように、今後の税法改正に伴い課税対象となる可能性もあるので、税金関連の法律については逐一チェックしておいた方がよさそうですね!